コミュニケーションの「すれ違い」に隠された心理
韓国に暮らす外国人住民は250万人を超え、韓国社会はいよいよ本格的な多文化社会へと歩みを進めています。韓国語を流暢に話す外国人も年々増えていますが、日常生活の中でたびたび経験する少し不思議な出来事があります。それは、外国人が韓国語で質問をしているにもかかわらず、相手が最後まで英語で答えようとする場面です。多文化名誉記者としてこのような光景を見ていると、それは単なる親切心だけでは説明できない、もっと複雑な心理が働いているように感じます。
多くの韓国人は、外国人を目の前にすると無意識のうちに「英語で話さなければならない」という思い込みにとらわれることがあります。見た目が韓国人とは違うというだけで、「きっと韓国語は話せないだろう」という先入観が働いてしまうのです。一つは、「外国から来た人には親切にしなければならない」という善意や思いやりの気持ちです。相手が困らないように、自分にできる限り英語で対応しようという配慮から生まれる行動です。もう一つは、「せっかくの機会だから、自分の英語力を試してみたい」という心理です。学校や仕事で学んできた英語を実際に使える場面として、無意識に外国人との会話を「実践の場」と捉えてしまうことも少なくありません。
もちろん、こうした気持ちそのものが悪いわけではありません。
しかし、実際には韓国語でコミュニケーションを取りたいと考えている外国人にとって、このような対応は戸惑いにつながることがあります。韓国社会の一員になりたいという思いで努力を重ね、時間をかけて韓国語を学んできたにもかかわらず、その努力が認められず、「いつまでも外国人」「外から来た人」として見られているような気持ちになってしまうからです。
専門家の中には、このような現象を「見えない排除(Invisible Exclusion)」と分析する人もいます。
相手の語学力を確かめもせずに勝手に判断し、使う言語を一方的に決めてしまうことは、悪意がなくても相手に疎外感を与えてしまう可能性があるという指摘です。
本当の多文化社会を築いていくためには、「外国人=英語を話す人」という固定観念から少しずつ離れていく必要があります。もし相手が韓国語で話しかけてきたなら、その人が韓国語を学ぶために積み重ねてきた努力と、韓国社会への敬意を受け止め、同じ韓国語で応える文化が広がってほしいと思います。言葉は、人と人との心をつなぐ扉を開く鍵です。その扉をお互いに開こうとする姿勢があってこそ、多文化社会における本当の意味での共生と相互理解が始まるのではないでしょうか。
ピベン・カテリナ/名誉記者(ウクライナ)
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041-631-6360
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コミュニケーションの「すれ違い」に隠された心理
韓国に暮らす外国人住民は250万人を超え、韓国社会はいよいよ本格的な多文化社会へと歩みを進めています。韓国語を流暢に話す外国人も年々増えていますが、日常生活の中でたびたび経験する少し不思議な出来事があります。それは、外国人が韓国語で質問をしているにもかかわらず、相手が最後まで英語で答えようとする場面です。多文化名誉記者としてこのような光景を見ていると、それは単なる親切心だけでは説明できない、もっと複雑な心理が働いているように感じます。
多くの韓国人は、外国人を目の前にすると無意識のうちに「英語で話さなければならない」という思い込みにとらわれることがあります。見た目が韓国人とは違うというだけで、「きっと韓国語は話せないだろう」という先入観が働いてしまうのです。一つは、「外国から来た人には親切にしなければならない」という善意や思いやりの気持ちです。相手が困らないように、自分にできる限り英語で対応しようという配慮から生まれる行動です。もう一つは、「せっかくの機会だから、自分の英語力を試してみたい」という心理です。学校や仕事で学んできた英語を実際に使える場面として、無意識に外国人との会話を「実践の場」と捉えてしまうことも少なくありません。
もちろん、こうした気持ちそのものが悪いわけではありません。
しかし、実際には韓国語でコミュニケーションを取りたいと考えている外国人にとって、このような対応は戸惑いにつながることがあります。韓国社会の一員になりたいという思いで努力を重ね、時間をかけて韓国語を学んできたにもかかわらず、その努力が認められず、「いつまでも外国人」「外から来た人」として見られているような気持ちになってしまうからです。
専門家の中には、このような現象を「見えない排除(Invisible Exclusion)」と分析する人もいます。
相手の語学力を確かめもせずに勝手に判断し、使う言語を一方的に決めてしまうことは、悪意がなくても相手に疎外感を与えてしまう可能性があるという指摘です。
本当の多文化社会を築いていくためには、「外国人=英語を話す人」という固定観念から少しずつ離れていく必要があります。もし相手が韓国語で話しかけてきたなら、その人が韓国語を学ぶために積み重ねてきた努力と、韓国社会への敬意を受け止め、同じ韓国語で応える文化が広がってほしいと思います。言葉は、人と人との心をつなぐ扉を開く鍵です。その扉をお互いに開こうとする姿勢があってこそ、多文化社会における本当の意味での共生と相互理解が始まるのではないでしょうか。
ピベン・カテリナ/名誉記者(ウクライナ)